世界中でサンタクロースとして知られている聖人ニコラス(St.Nicholas)は、トルコ南部にある地中海近くのパタラ(Patara,デムレ(Demre)の付近)という街で3世紀に生まれ、ミラで逝去しました。そして彼はデムレにある教会に今も葬られています。
彼の逝去した12月6日はキリスト教各国では今でも「聖人ニコラスの日」として記念日となっています。トルコでは聖人ニコラスのことをノエル・ババ(Noel=クリスマス、Baba=お父さん)と呼んでいます。
サンタクロースと言えば北欧に住み、子供達にプレゼントを配るというイメージがありますが、これは聖人ニコラスが子供達を守り愛し続けたという人物像が北欧に古くから伝わる伝説と融合しサンタクロースという人物像が作り出されたと言われています。
(左の彫像は2008年12月建立)
聖人ニコラスは裕福な家庭に育ちましたが、彼が若いときに両親が死に遺産として大金を受け取ることになりました。しかし彼はそのお金を自分のものにすることはなく、貧しい人々や子供達に全てを寄付したと言われています。
彼の有名な逸話のひとつに次のようなものがあります。パタラの一市民が全財産を無くしてしまったことから娘3人を娼婦にさせる決意をしたという話を耳にした聖人ニコラスは、真夜中にその男性の家の窓からゴールドの入ったかばんを投げ入れました。これが3人の娘の持参金となり、娼婦になることなく無事結婚できたという話です。
彼がミラの司教に選ばれたのは、キリスト教徒迫害の起こる少し前のことでした。迫害が始まると聖人ニコラスは他のキリスト教徒同様監禁され数年間拷問され続けましたが、コンスタンチン教皇が台頭すると彼は無事釈放されミラに戻ることができ敬虔かつ熱心にキリスト教布教に務めました。
海の守護神
地中海に面したミラの司教であったということから海に関する逸話や奇跡が多く、海の守護神として海に携わる人々から崇められています。地中海の船員達は船出をするときに必ず「舵は聖人ニコラスに握らせて。」と祈ってから出発すると言います。
子供達の守護神
子供達を愛し、空腹や貧困から常に救い、常に子供達の喜ぶように努めたことから子供達の守護神となり、後世サンタクロースのモデルとなりました。