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Cafetalk Tutor's Column

Rubrica di chura

自分との戦い

Mar 30, 2020

「ウーウー
 ウォーウォー!!」
 
 
布団の中からうめき声が聞こえてきた。
 
「大丈夫だよ」
 
背中を叩きながらそっと声を掛ける。
 
 
私が昼間働く職場では、
自閉症の子供がいる。
 
 
身長180センチ
体重およそ80キロ
 
 
時にはパニックになって暴れることもある。
 
 
体が大きいから、
暴れると男性2〜3人がかりで抑えることもある。
 
 
その日は早く帰りたくて落ち着かない様子。
 
 
布団で横になったかと思えば、
すぐに起き出す。
 
 
 「帰る〜?」
 
 「まだ帰りませんいいですか?」
 
 「おっけー」
 
 
このやりとりを何度も繰り返す。
 
 
最近読んだ自閉症の子が書いた本に載っていた。

 「記憶が一本の道のように繋がるのではなく、
 ポツポツと断片的になる」と、
 
だから何度も同じことを聞くらしい。
 
 
 「ウー、ウー、ウォー!!」
 
勢いよくガバッと布団を跳ね除ける。
様子を観察すると
ハァーハァー息が切れている。
 
 
そして一言こういった。
 
 「戦った」
 
戦った?!と思いつつも冷静に、
 
 「勝った??」
 
と聞くと、
 
 「勝った」
 
といっていた。
 
 
そこからは気持ちが落ち着いていた。
どうやら自分と戦っていたみたいだ。
 
 
大人になると自分を抑える事が多くなる。
 
もちろんみんながみんなそうではない。
 
自分を出すことも大事だけど、
時には自分と戦うことも大事だなと思う。
 
 
だって全てのことが
自分の思い通りにならないからさ、
 
 
どこかで自分の気持ちに折り合いをつけなくっちゃね。

This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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