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Cafetalk Tutor's Column

Machika 講師のコラム

自尊心を取り戻せばきっと変わる。

2016年10月3日

 自尊心のない人がそれを取り戻すにはどうすればよいのか。
カウンセラーの仕事をしながら、私の頭の中にはいつもその疑問がありました。


 たくさんの人とお話する中で、心の元気を取り戻すには、失ってしまった「自尊心」を取り戻すことが重要なカギなのではと感じました。たくさんの人が「自分はダメな存在だ。なんの役にも立てない」そうおっしゃいます。お話を聞きながら、「あなたのすばらしさ、あなたの良さをぜひ思い出して欲しい」と何度も思いました。でも、気分が落ち込んでいる時にいくら周りにそう言われても、自分ではなかなかそうは思えないのです。ご本人の内面の何かを改善しなければいけない、そんな気がしました。
 今は書籍やウェブサイトなど情報源となるものがあふれています。でも、心を癒す方法で全ての人に当てはまる絶対的な方法などないように感じました。同じうつ病だとしてもそれぞれタイプ(思考の傾向)が違い、それは心の健康を取り戻す上で留意するべき重要な相違に思えたからです。そこでまず、それぞれの性格や傾向を分析するためのテストを作りました。それぞれがどのタイプ、どんな傾向なのかを明確にするためです。そしてタイプ別にマイナスに偏った思考の歪みを治していく方法を取ることを考えました。そして、以前から考えていた思考の歪みという概念と、「認知行動療法」の受け止め方を改善するという考え方がとても似ていることがわかり、それを基盤として独自の方法を加え、改善プログラムを考えていくことにしました。それでできたのが、「自信を取り戻そう~意識改善プログラム」です。


 思考の歪みを治すとはつまり、マイナスに傾いてしまった物事の受け止め方、見方、感じ方をプラスの方向へ持っていくということです。人は「見るもの」「聞くもの」「考えること」「行動」から無意識に多大な影響を受けます。そこで、それらを用いて意識的に自分の内面にプラスの影響を与えていきます。また、必要なら心の抑圧を取り除くケアも行います。抑圧された感情がある場合、意識しているプラスの影響を跳ね除けてしまう可能性があるため、まずはその「毒」を取り除くことを考えます。

 正直、とても地味な方法に感じられるかもしれません。良い影響を感じたり改善していくまで時間もかかります。継続する努力が必要です。ですが、自分の内面、根本から問題を解決していくため、誰かに励まされた時のような一過性の気持ちの回復ではなく、効果が続いていくものである可能性が高いと言えます。

 思考の歪みが治れば、自分のことも現実的な見方ができるようになるでしょう。実際できる以上に期待してしまうことも、実際以下に見下してしまうこともなく、本当の自分を認識できます。本当の自分を知り、認めることは自尊心や自信を取り戻す大事な一歩です。

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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