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Cafetalk Tutor's Column

Tutor Na 講師のコラム

Q、おすすめの習い事はありますか? A、思考力を鍛えるなら、囲碁か将棋がおすすめ

2023年12月20日

こんにちは。

 

今日は、おすすめの習い事について、書いていきたいと思います。

 

もちろん、習い事は(お子さんが嫌がっていない限り)とてもいいことだと思います。

 

スポーツ系もおすすめですし、音楽系もいいなと思います。

 

かのアインシュタインもバイオリンが上手だったと聞いたことがあります。

 

音楽に関していうと、私が京大女子寮にいた時も、プロ並みに上手な子が複数いたのを覚えています。

 

京大女子寮の談話室に行くと、ものすごい勢いでピアノを操る彼女たちを幾度、目撃したことか。笑

 

さてさて、だいぶ脱線してしまいましたが、今日は、思考力を伸ばすという観点からの習い事について書いていきたいと思います。

 

タイトルにも書きましたが、思考力を伸ばす可能性という観点から言うと、将棋と囲碁をおすすめします。

 

中学受験生、中高一貫校生で、音楽やスポーツ系の習い事をされている方はよくお聞きするのですが、不思議とあまり将棋・囲碁は習い事しては聞かないなと思います。

 

私自身が、将棋や囲碁にものすごく詳しいかと言われると、子供の頃に囲碁と将棋を教わって齧った程度なので微妙なところではありますが、

 

間違いなく囲碁、将棋は対戦するときはものすごく考えますし、頭を使う競技です。

 

相手から、ここはこう打った方が良かったかもしれないね、といった講評をもらってなるほどと思ったり。

 

読みも何手先まで考えたり。

 

実際に、私自身が現役高校生の時も、同じ学校の将棋部のメンバーは、高確率で数学の成績がよかったです。(あくまで、私の体感ですが)

 

先日も、囲碁界で天才と名高い井山裕太さんの師匠の石井邦生さんが書かれた本を読んでいた時に下記のようなフレーズを見かけました。

 

 

 

"...ここで碁の勉強法と指導法について、私なりの考えを簡単に紹介しておこう。

 

知識の丸暗記は基本をマスターする上では大いに役立つが、さらに上を目指すには知識の本質を理解しなければならない。知識の本質は人から教わって得られるものではなく、自分自身が対象と向き合って考え抜くことによって初めて自分のものにすることができる。

 

碁は序盤の十数手を除くと、ほとんどの場合未知との遭遇であり、丸暗記の知識は何の役にも立たない。与えられた知識、求めた知識を自在に駆使し、つちかわれた創造力を融和させることによって、すぐれた着手を得るのだと思う。..."

 

出典 : わが天才棋士・井山裕太 (著者)石井邦生 (出版社)株式会社集英社インターナショナル pp.53-54 

 

 

 

井山裕太さんを育て上げた石井先生が書かれている、囲碁の学習法そのものが、難関校中学受験で必要な算数の勉強の仕方そのものズバリです。

 

さらに言えば、中高一貫校でその後学んでいく数学を勉強していく上で必要な世界観とも言えます。

 

東大・京大数学はまさにその通りの学習法ではないかと思います。

 

基礎知識を徹底的に磨き上げた(=暗記・反復学習をした)上で、さらにその知識を使っていく(=思考力をつけていく)ことが大切。

 

一見、算数・数学と囲碁といった違う土俵の分野に見えて、実は本質的なところが似ているように思います。

 

囲碁の世界観に触れておくと、算数・数学の勉強をしたときに、本質が同じなので、共通したものを感じ取れる確率が跳ね上がる気がします。

 

さらに付け加えるならば、

 

囲碁も将棋も大局観が養われやすい点です。

 

受験もある意味、戦いではあります。

 

その中で、どうやって勝ちに持っていくかを考えながら、戦っていく点で参考になる点が大いにあるように思います。

 

また、囲碁・将棋の格言は日常でも役に立つものが多いです。

 

「死活」「定石(将棋だと定跡)」「ダメ」なども、囲碁用語からきています。というか囲碁用語ですね。

 

こちらはかなりの余談になりますが、

 

名探偵コナンのシーンで登場人物の羽田浩司さんが

 

遠見の角に好手あり

 

出典:単行本97巻「山菜採りシリーズ」、アニメ2022年7月10日、17日放送の「山菜狩りとクローバー」

 

と言うシーンがありましたが、将棋の格言からですね。(羽田浩司さんという名前自体も、羽生善治さんと谷川浩司さんからきているのかなと思ったりもしますが。笑)

 

 

受験勉強だけをしているとどうしても視野が狭くなってしまう時があるかもしれません。

 

色々な世界を見ておくと、困った時や迷ったときに別の分野から同じ本質を感じ取って、それを今自分にとって必要な分野に応用できる確率が高まるように感じています。

 

特に、将棋や囲碁は、基本をおさえた上で、考えて、考えて、勝ちに繋げていく構造を持っているので、そういう概念を一度経験値として持っていると、受験という世界でも活かせるものが多いと思います。

 

今回は囲碁をメインに書きましたが、将棋も同じ思考力の非常に要する競技です。

 

今、将棋界は、羽生善治さんだけでなく、藤井聡太さんという将棋界の天才棋士によって大フィーバーを巻き起こしていますし、将棋は特に興味を持ちやすい分野かもしれませんね。

 

もし、習い事を検討されることがあれば、将棋と囲碁も選択肢に加えてみてもいいかもしれませんね。

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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