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Cafetalk Tutor's Column

Rubrica di Rie_Takayama

外国語と女性の褒め方

Feb 13, 2016

明日はバレンタインデーですね!

ご存じの方も多いと思いますが、バレンタインデーは諸外国でも「愛の日」ということで日本で普及しているものと近い意味はあるものの、日本のように女性から男性に贈り物をする、という風習ではないところが多いと聞きます。特に西欧諸国では、愛する人に贈り物をする日という意味で、カップルがプレゼントを交換しあったり、また子供なら大好きなお母さんに花を摘んで渡したりしているのを見たことがありますが、男女双方から贈り合う国もあれば、男性から女性に贈るのが習慣となっている国も多いようで、その国によって風習が違うようです。いずれにしても、日本のように女性から男性に!というパターンは世界でも珍しいみたいですね^^

さてそこで・・・これを読んでくださっている特に女性の皆さん、最近親しい人や愛する人から褒められたことありますか?!できれば女性同士での「素敵ですね~」「かわいい❤」などの『褒め合いっこ』ではなく、あなたの目を見て、「今日の髪型素敵ですね」「きれいな手ね!」「あなたはなんて優しいの」「その服、とっても似合っててきれいだよ」などなどはっきりと具体的に言葉で表現される褒め方・・・そしてやっぱり、男性から言われるのがベストです!

そうです、世界でも「シャイ」と名高い日本人男性は、あまり褒めてくれないですよね(笑)。もちろん、恋愛の初期の、いちばん盛り上がっているときにはそういう言葉も出てくるかもしれませんが、そうではなく、普段の何気ない時に言われるのが嬉しかったりするんです。

もちろん、褒められて嬉しいのは男女かかわらず、なのですが、私は特に日本の女性はもっともっと、褒められるべきだと思うんです。日本特有の謙遜が美徳とされる文化もあり、また古い時代から浸透している「女性はつつましやかであるべき」という教えもあってか、現代でも、「私なんて・・・」という自信のなさを大人になってもずっと引きずっている女性は多い気がします。でもそのいっぽうで、表面的には男女平等という理想主義のもと、職場や家庭、人間関係などでは「強くて明るくて元気な女性」が必要とされていたり、評価される場面も増えているため、そのようなキャラクターをもつ女性たちはSNSなどで「自分大好き」全開の自慢合戦を繰り広げたり、ネット上で「褒めて、褒めて!」モードの女性たちが結構多いのも日本女性の特徴の一つのような気がします。

つまり、女性として褒められる場面が不足して育っているため、どこか満たされない自分をもてあましている女性たちは多いのではないかと思うのです。

その一方で小さい頃から、女の子であれば何かと周囲から丁寧に扱われ、褒められて育つアメリカやヨーロッパの女性と比較するとその違いは顕著ですし、彼女たちの言動には日本的な感覚からしたら「ワガママ」と取れるものもたくさんあったりします。でも、私の観察では、たとえば先ほどの例にあげたSNSなどで周囲の反応を期待してプライベート写真を載せまくったり、こんなとこで自慢してどうする!と思われるような個人的な内容を載せてみたり、というような行為は彼女たちには意外に少ない気がします。

私自身も女性なので、勝手な、本当に偏っているかもしれない一つの意見ですが・・・女性は褒められることで輝く生き物です(結構きっぱりな口調です^^)。そして、そのように普段から褒められて満たされている女性が妻となり、母となることで、また社会で働くひとりのプロフェッショナルとして、あるいは誰かの大切な友人として・・・・別の誰かを受け入れ、褒めてあげて、幸せにすることができるのだと思うのです。

ところで、英語などの外国語を学んでいると気づくのが、この女性を褒める言葉、本当にいろいろなバリエーションがあります。王道のbeautifulやpretty以外でも、gorgeousとかsexyなどもポジティブな意味で使われますし、elegantやcharming、またattractiveなんかも使われます。また褒めるときには、ただ外見や服装、見た目を褒めているのではなく、そこからにじみ出てくる個性を見つけて、いかにそれが伝わるように褒めてあげるか、が大切な気がします。そして、英語の多くの言葉には複数の意味をもつものがたくさん存在していますが、それらの意味の持つ共通の流れを理解していくことで、その言葉のもつ奥行きを感覚でわかった上で使うと、褒め方にもより心がこもっていいと思います。

例えば、日本語訳では「上品な、優美な」とされるgracefulという言葉。女性だけでなく一般的に人に対しても、また状況や物事に対しても使える言葉です。そしてこの言葉をgraceとfulに分けてみると、grace=優雅さや優しさ、気品、が、ful=たくさんあること、というような構造になっていて、日本語訳からの上品とか優雅という平面的な理解が、より深まる感じがしませんか?同じgraceから派生した形容詞にgraciousがありますが、こちらは「親切な、丁寧な」という意味になり、もとはgraceに含まれる意味の中で、「相手を許す寛大さや優しさ」というものがあり、そこから来ていると思われます。同じ語源としてフランス語のgrâce、そしてイタリア語のgraziaにも、「許す心、神からの慈悲」というより深いニュアンスがあり、「相手を許し、受け入れる寛大な心をもった人→ 優雅で上品な人」という風に意味が発展したのがわかります。また、この褒め言葉がぴったりくる人がどんな人か、想像もしやすくなりますね。

女性を褒めること、から話がだいぶそれてしまいましたが・・・・心から人を褒めるということは、自分にもいいところを見つけて自分自身を褒める行為にも繫がっていくと私は思うので、自分自身がどんな人でありたいか、また人からどんな風に褒めてもらいたいか、そんなことを考えながら言葉を見つけていくのも、日本語でも外国語でも楽しい作業になるのではないでしょうか。そして誰も褒めてくれないときには、自分で自分を心から褒めましょう!その方が、SNSで多数の人から注目されることよりも、ずっと健全で効果的です☆

ちなみに、私のこれまでの経験では、アメリカ、フランス、イタリアのいずれの国でも日本よりは女性は褒められる機会が多くあると思うのですが・・・いちばんわかりやすくて言われると嬉しい言葉、beautiful, belle(フランス語), bella(イタリア語)で考えたときに、bellaを多用してくれるのがイタリアだと思います(笑)。日本人にとっては「美しい」という褒め言葉は特に敷居が高い感じがするので、慣れていないとドキッっとしたりもしますが・・・ほとんど挨拶程度に、ほぼすべての女性に使ってくれます^^; なので、言われたからってやたらハイテンションになる必要はないのですが、でも、やっぱりいい習慣だと私は思います!はい、女性の皆さん、褒められたい時はイタリアに行くのもいい心のリハビリになるかもしれないですよ❤

"Beauty is in the eye of the beholder "ー 美は見る人の目の中に宿る。英語の諺ですが、この言葉にあるように、皆が美しいというからではなく、あなたにとっての、またその人だけの美しさを見つけたら、"Beautiful!" と言えちゃう感覚、日本語でもぜひ身に付けましょう。男性の皆さん、よろしくお願いします(笑)。

写真は日本帰国直前、南イタリアに旅行した時に夜のナポリの少しアブナイ場所で撮影したものです。体重もかなり増えていて、今現在日本でダイエット中の私ですが・・・・それでもイタリアでは「痩せる必要ない!」と言われまくってどこか安心してしまっていました。太っていても痩せていても、幸せでいることがいちばん大切!そう心で、身体で、たしかに感じて生きていた日々でした。それがポーズに表れています^^

This column was published by the author in their personal capacity.
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