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Cafetalk Tutor's Column

Rubrica di Rie_Takayama

ヨガとは・・・健康で幸せに生きるための哲学です。

Jan 17, 2016

突然ですが・・・ヨガってなんだかご存知ですか?!

イタリアにいた頃、イタリア語のクラスで自己紹介もかねて、やっている趣味やスポーツを皆の前で言う機会がありました。私が「ヨガをしている」というと、イタリア人の先生が「ヨガはスポーツではないよね?!」と聞いてきました。『ぬおっ・・・なかなか鋭いところを突いてきますね!!』と心の中で思った記憶がありますが、そうなんです、ヨガがスポーツか?と言われれば正しい答えはNOです。

ちなみにイタリアでは意外にもヨガがとても人気で、でも、私の印象ではアメリカで大ブレークして、その流れを次いで日本でも人気が出たときのようなファッションとか、おしゃれ、とか、ダイエット、とかに関連付けた宣伝も少ないですし、私が住んでいたフィレンツェという街にあったヨガスタジオはどれも、ひっそりと、一見それがヨガスタジオとはわからない感じで街に溶け込んでいる感じでした。

そしてそこに通ってくる人たちも、皆それぞれ適当な動きやすい服装でそのままスタジオに入ってくる感じですし、男性が極端に少ない日本とは違い、男性の方もたくさん見られました。そして、ポーズなどはもちろん人によるのですが、私の印象は「よく練習している人たち」。つまり、ヨガを毎日やっているのが明らかな感じの、自分の身体の使い方、苦手なポーズと得意なポーズ、壁などポーズをサポートする道具の使い方をよく心得ている人たちが多かったです。日本のフィットネスクラブのような空気感はなく、どちらかというとどこか神聖な場所に自分自身の鍛錬のために足を運んできた人たち、という雰囲気でした。

私自身は、ヨガのもつ宗教的な部分を前面に出しているスタジオはあまり好きではありません。そしてこの部分については、本当にそのヨガスタジオの方針や、インストラクターによって、どのくらい宗教的要素を入れているかは分かれるところだと思います。そして国民の90%近くがカトリック信者と認識しているイタリアですので、もちろん、宗教である、という要素は私の通っていたスタジオには見られなかったです。

ですが、先のイタリア語の先生の質問のように、だからといってフィットネスだとか、ましてやスポーツというカテゴリに分類はしていないのが一般認識のようです。結局このときは、「ヨガは哲学だよね。」という結論に落ち着きました。うーん、イタリア人の彼、よくわかってるなぁ、と少し驚いたものです。それはやはりもしかしたら、彼らの生活の中に存在する宗教の価値というものを理解している人たちだからこそ、5000年前にインドで生まれたヨガをひとつの教えや考え方の総称であると理解していて、そこには宗教的な要素も、生活面での教訓のようなものも自然に必然的に存在している、というようにある意味「きちんと」ヨガをわかっている人たちが多いのではないかと思いました。そして、そのようにヨガを理解すると、現代ヨガで最も注目されている「ポーズ(アーサナ)」は、あくまでもその中に付随して存在しているもの、ということになるのです。つまり、ヨガを理解する上でもっとも重要で大切なものではないのです。

ただし、ヨガインストラクターとしてこれらの深遠なるヨガの要素から何を教えるのか?は、そのインストラクターの考えや価値観によるでしょうし、どちらかというと日本では、身体へのアプローチを重視する傾向が強いようにも思えます。やはり、ヨガにまつわる宗教的な部分に対する取扱いの難しさ、のようなのは日本社会の中にある宗教活動への警戒心とともにあると聞きます。

では、宗教的な要素を除いたとしても、心と身体、精神のあり方や生き方について説いた「ヨガ哲学を教えられる人」をインストラクターとした場合、それが可能な人は世界にどれだけいるでしょうか?私は正直な話、インドに修行にも行っていませんし、ヨガ哲学についてある時間向き合ったのはヨガインストラクター養成のコース中だけでしたので、ヨガを哲学としてきちんと学んだとは言えないです。でも察するに、ヨガ哲学を理解して教えられる人は、インドまたは世界各地にいらっしゃる、インド人のヨガマスター達、くらいではないのでしょうか。恐らく、インド人でない普通の人が彼らのレベルまで到達するには、文化的、宗教的な部分も含めてインドに近づき、一生かけて学んでいくくらいの時間が必要なのではないかと思います。

さて、ここで誤解を恐れずに言うなら、私はインストラクターとしてヨガ哲学を正しく教えることは今現時点でできません。そしてこれからも、その面でのマスターになるのは不可能だと思っています。では、身体を扱うプロであるべきか?これについても、私の答えは半分はYESでありながらも、あとの半分はNOです。理由は、先に述べたような、私の理解しているヨガ自体が、最終的には身体についてのことではないからです。もちろん、ポーズを教える上で必要な最低限の知識、ケガなどを回避して安全に行う知恵は必要です。でも、ヨガインストラクターは医者ではありません。それ以上の行き過ぎたアプローチはかえって危険だと思っています。

では、ヨガインストラクターとして何をお伝えできるのか?私の今日時点での答えは、「健康で幸せな人生を全うするための過程のなかで学んだことを生徒さんと共有し、自分自身を高めていく姿勢を見せること」。

えっ、そんなんでいいの?!!と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、これが現時点での私にできることだと思っています。そしてその中に、自分自身がヨガをしていく中で理解できたヨガ哲学のエッセンスも取り入れて、お伝えできれば、と思っています。

私にとってヨガは元気にやりたいことに挑戦していく、悲しいことやつらいこと、落ち込むことがあっても一休みしてまた人生を歩んでいく、そのために心と身体の両方にとても良い習慣なのです。心と身体の扱い方、エネルギーの高め方・鎮め方、正しい呼吸のしかた、そして、生きていく上で最も大切な良い精神のあり方。ヨガから学べることはたくさんあります。でも、それは日々の習慣になって初めて、本当に自分のものになるのだと思っています。

写真は旅行中の知人インストラクターの代行で鎌倉でクラスを行った時のものです❤

This column was published by the author in their personal capacity.
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