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Cafetalk Tutor's Column

Rubrica di Rie_Takayama

あるフランス人女性からのメール

Jan 6, 2016

2016年が始まりました。

昨年はイタリアで様々な経験をさせていただき、またカフェトークさんとも出会い、忙しい日々の中悩んだりしながらも「よく生きていく」ことに貪欲な生徒の皆さまとの素敵な出会いにも恵まれました。私自身も日々の学びは今年もすでに始まっていますが、今後もできるだけ内容を充実させ、「健康と幸せ」について皆様のお役にたてることをよい形でご提供していきたいと思っております。

さて、昨年2015年のまさに終わろうとしている大晦日に、ある1通のメールがフランスから届きました。昨年の夏に私がイタリアからフランスに旅行して約1か月ほど滞在した際に、南仏のニースという街で2週間ほどお世話になった女性です。フランス語の勉強も兼ねて、以前から行きたかったニースで語学学校に通いながらのんびりと観光したり、美しいビーチをお散歩したりして過ごしていましたが、この女性はその間、学校の紹介で私にお部屋を貸してくださった方です。

50代前半のシングルマザーで、離婚歴2回。20代前半の2人の娘さんがいますが、2人とも独立していて現在は一人暮らし。ニース中心部にあるコンドミニアム風のアパートに住んでいらっしゃいますが、ときどき1部屋学生に貸していらっしゃるようで、今回私は幸運にもこの方のシンプルだけど心地のいい、素敵なお部屋に2週間滞在することができました。マーケティング関係のお仕事をしていらっしゃり、おしゃれ上手で好奇心旺盛な魅力的な女性、というのが私の第一印象でした。

彼女はある意味「とってもフランス人女性らしい」人。自分の生活すべてをできるだけ心地よくすることを大切にしていて、丁寧に生きている女性。仕事帰りはほぼ毎日ジムに行くかビーチに行き、そのため身体はほどよく筋肉がついてひき締まっています。食べ物にはものすごく気を遣い、自分の体質や嗜好を理解することからあみ出された彼女なりのルールがあります。なので、夕飯は基本的に毎日手作り。糖質がたくさん含まれたお菓子は食べないし、お肉も食べる種類が決まっていたり、またフランス人には珍しくワインもチーズも楽しみません。はじめ私はちょっとストイックすぎるのでは?!(私はヨガインストラクターにしてはストイックとは程遠いので・・・)と思ったほど。ときどき私がお菓子を食べたりしていると、「このお菓子には砂糖が○○グラム含まれていて、これは必要な糖分をどれだけ超えているかわかる??!」などと言われることもありましたが、そこは個人主義のフランス、それでも私は私で好きなようにしていましたし(笑)、最終的に彼女は私のスタイルも尊重してくれていたと思います^^; 夕飯も、それぞれが好きなものを作って一緒にテラスで食べたりしましたが、私はワインを飲むのに対して彼女はお水。どっちがフランス人?!というメニューのときもありました(笑)。

彼女がつけていた香水のブランドは聞いて忘れてしまいましたがとてもいい香りで、彼女がいた部屋にはいつもその香りがして私もすっかりその匂いが好きになってしまいました。あるときシャワー後の彼女が香水をつけている姿を目にすることがありました。オードトワレだと思いますが、足のつま先から丹念に塗りこんでいくような感じでつけていたので、「なるほど~、ああしてつけると全身がその香りになるのね」と思ったのを覚えています。

私の滞在中、彼女はよく私を車で連れ出してくれました。ビーチや、丘の上のローマ時代の廃墟が今も残る庭園、ショッピングエリア、地元の人が開催していた野鳥を見に行くバードウォッチングツアーにも2人で参加しました。またちょうど夏の花火大会も予定されるタイミングでしたので、一緒に花火も見に行きました。そんなときにはいつも女同志、いろいろなことを話しました。ニースの歴史について、彼女の娘さん達について、仕事について、フランスという国について、日本について、恋愛についても。私のフランス語の発音や言い回しを直してくれながらでしたので、もちろんフランス語の勉強にもなりましたが、それ以上に彼女と話しているといろいろと考えさせられることが多かったです。どんな話題であっても、フランスの方にはある傾向があると思うのですが、「私はこう思う」「私はこれが好き/嫌い」がハッキリあるのと同時に、「なぜなら・・・・・」の理由がものすごく明確に、その人だけがもつ人生観などを織り交ぜながら、説明が続きます。そしてそれが、彼らの強烈な、日本人からすると恐らく「強烈すぎる」個性となって表れてくるのです。

ときどき、よくそこまで自分のことを理解できているな~、と思うこともしばしばあるほど、私が同じことを言おうとすると「なぜそれが好きなの?」「どうしてそう思うの?」の彼女からの質問にしどろもどろになって何を言いたいのかわからなくなってしまうこともよくありましたっけ・・・・。

そんな彼女からの年末に受け取ったメール。内容は、私が送ったクリスマスカードとちょっとしたプレゼントについてのお礼と、そしてメインのところは『大切なお知らせ』があるの、という部分。「私は今ある男性に恋をしています。」という言葉で始まります。その男性とどのように出会ったか、彼と出会ってどう感じたか、などが書かれたあと、新年は彼と一緒にイタリアで過ごす予定だ、とのこと。「どうなるかはわからないけれど、時間をかけて私たちのことを理解していきたいと思ってる」と締めくくられていました。

私はそのメールを昨年の終わりに受け取ったことで、なんだか自分にも良いものを運んできてくれるような、素敵なお知らせにとても嬉しくなりました。少しの驚きとともに・・・・。なぜなら、彼女は私が一緒にいた頃はよく、「この歳になると男性との出会いは減るのよ。」とか、「私は2回も結婚したし、いろいろと大変な経験もしたから、男性よりも女友達といるほうが楽しいの」とか、「フランス女性は日本女性よりも強いと思う。だから、私たちは最終的には男性なしでも十分幸せに生きていけるのよ。国が認めている女性の権利も日本よりはいいでしょう?」などという発言が多かったので、もうパートナーを探してはいないのかな、と思っていたのです。

このメールの返信に、「素敵な知らせをどうもありがとう。私はとっても嬉しいし、美しくて、一緒にいると楽しいあなたが誰かに見初められるのは不思議ではないと思うのだけれど、でもあなたはもう恋はしないのかと思っていたから少しびっくりしました。」と書いたところ、「恋は求めるものではなくて、ただ予告なくやってくるものなのよ!」という返事。そしてその後たくさんの「彼」を紹介する文章が続いていました・・・・!それはまるでティーンエイジャーの女の子のようで、可愛らしくて、私は彼女のことがますます好きになりました。

さてここで、「さすがフランス女性。日本人の私とは違うわ」と思った方、いらっしゃいますか?たしかに私も驚きます、彼女の恋をキャッチする心の軽やかさと、恋モードへの変換の素早さに。でも一方で、彼女はいつもそれを迎え入れる準備をしていたのを私は見ていたので、納得している自分もいます。以前日本でも、フランス人作家ドラ・トーザンさんの本「ママより女」が話題になったりしましたが、彼女は私の前でもいつも、「女」でした。母の面も、仕事をする社会人としての面も、そしてかつては妻の面もあったでしょう。でも、彼女はいつもひとりの女性であり、人間であることを優先して生きている人なのだと思います。

新春キャンペーンとして、「気付きを促すフリートーク」で参加させて頂き、様々な悩みや葛藤をもつ女性の皆様にご受講いただきました(もちろん男性も大歓迎です~)。自分が本当に望むものを引き寄せるには?という内容をメインに話をさせていただきましたが、やはり普段から自分のことをよく知ること、そしてその自分をどれだけよい状態でメンテナンスして、柔軟な心でやってくる良いものを受け入れることができるか?が重要になるのではないかな、と私は思っています。そう、彼女のようにいくつになっても恋する気持ちで、毎日を、異性だけでなくいろいろなことに恋して生きていると、人生がもっともっと輝いてくると思いませんか?

写真は彼女と一緒によく語らった、おうちにある小さなテラスです。蚊がいっぱいいてよく刺されたのですが、それでも蚊取り線香を炊いてめげずに毎日、「テラスでの時間」を楽しんでいたのもなんだか見ていて感心するほどでした!蚊にさされてでも外に出て楽しみたい、というのが彼女の信念(?)のようで、昼間はビキニになって日光浴、夜はキャンドルを灯して幻想的な時間を楽しみ、たくさんおしゃべりしてとっても楽しかった思い出です。

皆さまにとって今年1年が、素晴らしいものを呼び込んでそれを逃さずにキャッチできる年となりますように。

本年もどうぞよろしくお願いいたします✰❤✿

This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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