今回の映画はThe Adjustment Bureau。2011年に公開された作品だ。主役はThe Bourne Trilogyでお馴染みのMatt Damonとプラダを着た悪魔で意地悪assistantを演じ一躍(僕の)人気を勝ち取ったEmily Blunt(ちなみに彼女は英国人である。映画の舞台はアメリカ。共演者との英語の違いに注目して観るのも面白いのではないか)。最近はアクション大作で主演の役を勝ち取る(The Edge of Tomorrow)など、rising starと呼んでも過言ではないだろう。
この映画、どうやらYou hate it or love it(「好き嫌いが別れる」)らしい。一方僕は数回観てもまだ飽きないので好き寄りなのかもしれないが、かといって手を叩いて大絶賛!といった存在でもない。そこら辺の判断はご自身で行っていただきたい。
内容を簡単にまとめるのはなかなか難しいのだが、 こうだ。若くして上院議員選挙に挑むDavid(Matt Damon)。大切なスピーチをトイレで練習していたところ個室から女性Elise(Emily Blunt)がソロリと現れる。他人の結婚式に忍び込んでいたところを警備の人間に見つかり、逃げ隠れていたとのこと。こうして二人は出会い・・・
ただこの二人、実は「出会ってはいけない」二人だった。これ以上の展開を阻止するためにAdjustment Bureauが動き出す・・・。
では予告編を見てみよう。VIDEO
今回注目していただきたい表現は2:11 位から。こんな台詞だ。
Just remember. We tried to reason with you.
Reasonといえば最初に思いつく和訳は「理由」だろう。ただ台詞を見ていただくとおわかりのように動詞として使われている。さぁどういう意味なのか。中々日本語一言で言い表すのは難しい。敢えて訳すなら
相手の話を聞き、可能な限り譲歩はした上で説得を試みる
といったところだろうか。辞書を引くとただ一言「説得する」とあるのだが、これだけではConvinceなどと完全な同義語だと勘違いしてしまうだろう。Reasonは少し違うのだ。
ちなみに劇中でこの発言をするのはAdjustment Bureauのお偉いさん。全人類が「計画通りに*(According to plan)」人生を送ることを確かなものにするためにAdjustする組織。そんな恐ろしい組織の上層部の一人がその計画に抗うDavidに対して言い放ったのだが上の台詞だ。
劇中ではこの台詞が聞かれるまでにAdjustment Bureauがあの手この手でDavidを説得しようとする。ただEliseへの思いは逆に強まるばかりで結局失敗、最後の手段として送られたのがこの人物なのである。
こういった背景を考えると「説得する」というよりは「話をする=相互理解を得るための対話を行う」と考えたほうが正確だろう。
このブログ、普段は僕が使えるフレーズで会話例を提案しているのだが、実はInstagramを彷徨っていた時にある超有名人がこの言葉、Reasonを使っているところを発見したのでそちらを見ていただきたい。
映像の方ではなく、キャプションにある
Sheep are impossible to reason with.
にお気づきだろうか。ビデオの内容も踏まえて彼女がどういった意図でこの表現をしているのか考えてみよう。皆さんの解釈をコメント欄にどうぞ。ちなみにこの女性は今米国で一番人気があると言っても過言ではない歌手、Taylor Swiftさんです。
これらの例を見るに映画の台詞は「話にならなかった」という大胆な解釈も出来るのではないか。
Comments (0)