親子の会話が記述力をつくる

kuro

中学受験生を見てると、小さい頃から活字に慣れておくのは重要だな〜と思います。

中学受験を始めた小学4年生あたりの塾のテストでは、最初は生きもの系とか具体的な説明文です。しかし、高学年になると例えば主観・客観など、語彙の抽象度がグッと上がってきます。

そのとき助けになるのは、活字の慣れと、日常レベルの語彙感覚。

最初はおしりたんていでもゾロリでも、子どもが食いつきそうなものならなんでもいいと思います。

記述の基礎づくりは、日々の会話から

中学受験から東大まで、国語の読解の基本の問いはほぼ変わりません。

それは、
「どういうことか」
「なぜか」

の2つなのです。

この2つの問いにどれだけ向き合ってきたかが、のちのち大きく関わってくると思っています。

対策は、小さい頃からの日々の親子のやりとりでも可能です。
ドリルより保育園の先生より、身近で問いかけてくれる存在は、やはり保護者ですから。

「どういうところがカッコよかった?」
「なんで?」

いっぱい質問し、正しく答えられればOKです!

いざ国語の記述に取り組んだときに、「問いの答えになっていない」「理由を聞いているのに『〜から』で終わっていない」なんてことが少なくなると思います。

うちの5才の例:
(おじいさんが亡くなったときに親が「悲しいなあ」と言うのをきいて)
「ぼくはかなしくないよ」
「…なんで?」
「いっぱいあそんだから」

・・・ちょっと泣きそうになりましたね。

受験ではさらにブラッシュアップが必要

ただ、日常の問答がそのまま受験に使えるかというと、そうとも限りません。

中学受験になると、問いの精度を上げなければいけなくなります。

例:なぜ「ありがとう」と言ったのか?

日常会話:親切にしてもらったから。

受験生がすべき解答:
親切にしてもらったので感謝の気持ちを伝えたかったから。

この精度上げの時に、どれだけ親子で会話してきたか、読書で文例に触れてきたかが響いてくるのだと思います。

大手塾の説明会でも国語の先生が、語彙、漢字をやるのは当たり前で、「家庭内での会話」が重要と言っていたと聞きました。

言葉の表現は「自己」から「他者」へ

そう考えると
「どういうことか」
「なぜか」
は幼児期に「自己」を表現することから始まるのかもしれないですね。

自分の気持ちを正しく、豊かに表現できれば、「他者」である著者の考えや、登場人物の心情を適切に表現できる基礎ができるのだろう。

幼児への発問は、「表現力」も育てるし、同時に「自己肯定感」を育てる重要な過程だなと思います。

う〜ん、会話って大事!

参考にして下さい。

This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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