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Cafetalk Tutor's Column

Momo Sensei 講師のコラム

トルコ人の名前

2020年6月11日

トルコ人の名前には面白いものがたくさんあります。下の名前も面白いのですが、今回は苗字についてお話します。


もともとトルコには苗字はありませんでした。アタチュルクがトルコ共和国を作ってから使うようになったと言われています(1934年)。日本が明治維新後に苗字を使うようになったのと似ていますね。

さて、苗字を付けるにあたってはいくつかのパターンがあるようです。
1)自分の住んでいた場所を使うパターン:「~出身の」という意味の「-li/-lu」を地名に付ける。例えば「Manisalı(マニサ出身)」
2)昔ながらの父親などの名前に「-oğlu(息子)」を付けるパターン: 例えば「Musaoğlu(モーゼの息子)など」
3)職業をそのまま苗字にするパターン:例えば「demirci(鉄屋)」
4)職業と息子を両方使う合体バージョン:「demircioğlu(鉄屋の息子)」など様々。

もちろんこれ以外にもたくさんありますが、基本的に自由に付けていたようです。また個人的に面白いと感じたのが文をそのまま苗字にしたパターン。例えば「Aydoğdu(月が生まれた)」など。日本語にしたら「新月」でしょうか。日本語は有難いことに漢語を使って動詞を名詞化できるため違和感なく造語できてよかったですね。

ところで、「何とかの息子」という苗字に、更に複数形の「-lar/-ler」をくっつけたり、さらに「-dan/-den(~から)」という助詞まで付けた苗字にお目にかかったことがあります。
以前よく観ていたテレビのアナウンサーの名前です。彼の名前は「yakuphanoğullarından」でした。
楽しくなってもっと長い名前はないかとインターネットで調べてみたところ「uzunkavakaltındayataruyumazoğulları」が一番長い名前だということでした。さらに調子に乗って、もっと長い名前はないものかと調べてみたら、新聞記事の中に次のようなものも見つかりました。
デニズリに住む38歳のHaşim Ahmet Abdulbaki Buğra Bahadır Nebioğulları さんとその娘 Aybike Güliz Enzel Yağmur Eflinnisa Nebioğullarıさんはトルコで最も長い名前の持ち主である。

まるで日本の「寿限無」を思い出しませんか?

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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